これはフィクションです

32歳。男性。自営業。独身。

2022年3月16日17時44分

村上龍『半島を出よ』読んだ。前に読んだ『希望の国エクソダス』と似ている。「今の日本はダメでこういうことが起これば国が変わっていく」という主旨。

エクソダスの方が物語としては単純でおもしろいし、今の好みでもある。日本を変えるとか暴力に訴えるではなく、脱出。自分にできることをして心地よい空間を日本のなかに広げていく。



昔に知り合いが「無人島買って村つくりたい。好きな人だけ集めて」みたいなことを言っていた。

そういうことは今の生活や人間関係に嫌気が差しているだいたいの人が思うけど、どうせその村のなかでも自分が気に入らないことはあって、つまらないことで争うつまらない連中がいて、排除したはずのつまらない連中がいつの間にか住人になっていて、そして勝手なルールを作って偉そうにし始める。


結局、他と同じような地獄が出来上がるだけで、新しい村を作ってみることにあまり意味はない。



「レベルの高い孤立、日本国を舞台にした引きこもり。みたいなことを目指すべきだな」
ということを前に思ったが、今もそう思う。


だいたいのことは一人でできて、協力する人間は自分が一緒に過ごすことを我慢できる連中だけ。協力すべき人間とちゃんとやれるだけの協調性は身につける。そういう状態を目指すこと。


これがさ、世の中に嫌気が差すタイプの人間が目指すべき形だよな。幸せになれそうな未来像。なによりもまず、世の中と距離をおけるようになること。



周りの人間がバカだと思ってイラついている連中は、自分が正しくて周りが間違っていると思っているから最初は周りを変えようとするんだけど、そういうのは上手くいかない。上手くいかないことにイラついてストレスがさらに溜まるだけ。


たどり着くべきは、変えるとかじゃなくて、自分が正しいのじゃなくて、自分が間違ったところに来てしまったという意識。自分が納得できないルールや価値観で運営されている世界は、自分がいるべき世界ではない。


だから、距離を置く。関わらないようにする。そうすれば自分と世界との違いを感じることは減る。減ればストレスも溜まらない。

自分とこの世界は交わるべきではない。