これはフィクションです

32歳。男性。自営業。独身。

2021年4月6日12時20分

おれの素敵なところは、自分自身をどこまでも高めたいと思っていること、自分が成長していくことをなによりも楽しみにしていることだ。

 

会社員をやめて起業することを選んでこの6年。

失敗続きで心が折れた期間もあったが、自分でビジネスをすることを諦めずに最後の一線で踏みとどまってこれたのは、その過程でたしかに成長している自分がいて、それが嬉しかったからだ。

 

お金がなくても、人に自慢できる自分じゃなくても、自分が成長していればそれでよいと思えた。


もし自己成長というものに興味がなかったら、一度の失敗でやめていただろう。

 

 

会社に頼らず独立する。というのは本当に難しくて成功率が低いし、上手くいったとして会社員より稼げる人も少ない。

普通に考えたら愚痴を言いながらでも会社員をやっていたほうがいい。

 

 

だから「自由に働きたい」とか「稼ぎたい」とか「かっこいい」とかだけではやっていけない世界で、

 

なにか、なにかひとつ、普通の人はあまり持っていない特殊で強い欲求を持っている必要がある。



じゃあその欲求とはどんなものか?

 

そのへんのセミナーならここで、

「ビジョン」「ミッション」「企業理念」「夢」「解決したい社会問題」「志」

と言いそうだが、おれはそのへんの連中とは違う。

 

 

いまおれがしている話は、失敗続きで希望がなくなったときに、それでも諦めない理由になるものはなにか?だ。

 

心が折れて挑戦をやめた日々を過ごしているときに、

「もう一度だけやってみよう」

と、あえて辛い道を選んで進んでいく力になるものはなにか?だ。



その話をしているときにビジョンや志と言う人間は、本当の失敗を知らねえ。

 

ビジョンや志は、自分が元気のいいときにだけ言えることだ。

本当に調子が悪いときは自分のことで精一杯で「世の中のためになにをするか」なんて話はできない。

 

 

だから必要なのはかっこいい話、みんなが共感してくれる話じゃない。

 

自分だけの理由だ。

 

 

 

会社員の生活なんて絶対にしたくない。会社員で65歳まで働き続けるなら死んだほうがマシ。おれは奴隷じゃない。

 

かといってニートやフリーターでいるのはおれのプライドが許さない。

 

好きなときに働いて好きなときに遊びたい。しかもそれで高収入がいい。

 

最強の自分になりたい。最強の仲間がほしい。

それで最高の仕事をやって、

「やっぱり俺たちが最強だな!ガハハ!」と下品に笑いたい。

 

 

 

 

挑戦することは辛い。

そしてだいたいの挑戦は失敗する。

 

それを乗り越えていけるのはかっこいい話じゃない。

自分だけの強い欲求だ。