これはフィクションです

32歳。男性。自営業。独身。

糸島の暮らし。1月1日から15日

・実家で賀正。




・2日から用事。大学の時に住んでいた世田谷区駒沢へ約10年ぶりに行く。
当時、よく作業していた24時間営業のマックへ。




久しぶりの田園都市線


昔を思い出す。あのころから経営を学び始めて、いずれは自分で会社を作ろうと考えた。

当時、深夜のマックで運営していたサークルの今後を考えたり、来週の集まりについて企画をメモしたりしていた。

おれはそれを楽しんでやっていた。これが大事なことだと思う。


どんなに高尚な目標を掲げようが、その活動がつまらなかったらやってない。

おれは起業することや経営することが、単に楽しい。自分で考え、「こうじゃねえか?」と思うことを導き出し、実行して、結果を見る。その結果が間違っていても楽しい。「くそ、なにか見落としているな」と思って、また思考の海に潜る。潜って、ついに「分かった、これだ!」と思うことを見つけた時は本当に興奮する。この世の真理を見つけたり、という気分になる。自分の成長を感じる。そういうのが楽しくて嬉しくて、おれはこの10年ぐらいを過ごしてきた。20代は起業がほぼ上手くいかず、ひたすらに金がなく、人からの信用がなくて惨めだったが、それでも起業と経営をやめずに今まで続いたのは、それが楽しかったから。


起業や経営は楽しい。自分の原点だなと思った。今後もし、どんなに事業で成功してもつまらなくなったらやめていい。周りの期待や背負っているものが大きくなっているだろうけど、おれ自身が「もういいや。つまんねえし」と思ったらすべて投げ捨ててやめていい。楽しいからやる。つまらないことはやらない。多くを語ったとしても、行き着くところはそれさ。



・焼肉食う。



ラーメン食う。




日本で1番うまいと思う焼肉屋とラーメン屋が地元にあるので、実家の居心地は微妙でも帰らざるを得ない。それぞれ地元滞在中に2回ずつ食った。

 



・日帰りで東京いって新しい案件をやる。新年早々にプレッシャーがかかる。なんたかんだ今年も去年の自分を越えて成長しないと目標達成できないので良いスタートなのではないでしょうか。

 


・新潟で先輩と後輩と3人でスキー。めちゃめちゃおもしろかった。


先輩、おれ、後輩で行った。先輩のボケと後輩のツッコミのコラボレーションに大爆笑。

先輩と後輩だけでお笑いが完成していること、おれが参加していないことに寂しさよりも嬉しさを覚えた。ただ笑っていればいいのはラクだ。

おれはお笑いが好きだったけど、芸人を目指さなかった理由がよく分かった。人を笑わせることよりも自分がおもしろくて笑うことの方が大事だから。それは視点が自分に向いている。仕事にするならお客さん視点じゃないとね。

自分が、お客さんを笑わせたい。と思う人がお笑いを職業にするのだろう。

 


・先輩がゲレンデで携帯を失くし、ゲレンデ営業終了後に探しに行くというミッションが発生。

吹雪のなか、パソコンで落としたスマホの位置情報を確認して、自分たちの現在地と照らし合わせる。

1時間の捜索の末に、なんと発見。


宿に戻って祝勝会。


非常に楽しかった。また企画しよう。

 

 

・神奈川県藤沢へ。

神奈川在住のべつの先輩たちと中華食う。すげえ美味かった。写真を撮り忘れるほどの美味さ。

人生についていろいろと教えてもらう。

この2週間は年上と会う予定が多く、結果として学びが多い。福岡では年上の知り合いができてないのでいいことだ。知恵は年上の人間からいただくに限る。

 

 


・新横浜から新幹線で大阪へ。群馬に実家があると福岡に帰るために日本を1000キロ横断しなければならない。ついでに東京や大阪など要所要所で人に会う。効率はいい気がするが、「移動→人に会う」の繰り返しは疲れるので今後は控えよう。



・大阪で新しい案件の打ち合わせ。新年から景気がいい。

打ち合わせよりもそこから発展して始まる雑談の方が楽しいし、価値が高かったりする。今回もそう。おれは昔からそう。そこの時間はこちらはタダ働きだから削減しようとした瞬間もあったが、おれの大事な楽しみなので大事にするようにしよう。


「専門性や技術、再現性のあるノウハウをアピールしてはいるが、そいつの価値の本質はノウハウではなくキャラクター、タレント性だよね。と外から見てて思う人が多いね。本人は小難しい話をしようとしているけどさ。「自分はタレントです!」って開き直れると年収ガッと上がりそう。みんな、インテリぶりたい、頭いいと思われたい気持ちがあるんだろうね」

てきな話などした。おれもノウハウを開発して売っていきたい人間だが、なんだかんだタレント性もある。果たして?


・本当に再現性のあるノウハウなどないよな。みんな自分の特殊性を自覚した方がいい。ノウハウなんて、まず本人の状況や資質ありきなので。



・いやー濃い2週間だった。疲れた疲れた。