これはフィクションです

32歳。男性。自営業。独身。

2020年11月6日13時18分

「ここで跳べ」

 

耳元で誰かが、そうささやいているような瞬間がある。

  

  

逼塞した状況にうんざりしている時に、おあつら向きな次の選択肢が自分の元にやってくる。

 

最初は戸惑うが、他のすべてが自分にその選択をさせようとするかのように整っていく。

 

 

 

 

あの瞬間が好きでね。今までにも何回か体験した。

 

だいたい逆らわずに跳ぶことを選んできた。おかげでいまがある。

 

そして最近また、あのささやきを感じている。

 

 

 

  

少しずつ成長していく、サナギの自分が羽化するのをゆっくり待つより、サナギを無理やりこじあけられる方が好きだ。

  

先に大きく現実を変化させて、そこに自分を当てはめていく。

自分がどうありたいか?はどうでもいい。現実が求める自分を、急速にカタチづくっていくだけ。

 

 

 

今日の延長線上にある未来などいらない。今日からは全く予想のできない未来、変化の大きな現実のなかに身を置きたい。

 

 

 

 

そろそろ今の自分でいることにも飽きたからちょうどいいタイミングだ。

 

少しずつ大きく跳ぶための材料がそろっていき、ささやきが大きくなってきている。

   

 

 

 

誰かが跳ぶことを求めるならば、俺は応えよう。

 

 

運命。すでに決まっていることは呪縛ではなく祝福である。世界の意志に逆らうな。きっといちばん良い方向に導いてくれている。

 

  

たどり着いた最後の場所で、お前が本当に求めるものに出会えるはずだ。