「このままの自分じゃダメなんだ」
そう思い知る瞬間があるとそこから人は大きく成長する。
今までの自分をバラバラに壊して、いらないものは捨て、新しいものを組み込み、自分を再構築する。
でも自分がダメだと思い知れるタイミングは限られている。
本当は方向転換しないとダメなんだけど、だいたい「これはできているからOK」と言い訳ができる。
言い訳が全くできない、逃げ場所がないところに追い込まれるタイミングが普通に生きているとないよな。
仕事ができなくてもすぐに会社をクビになるわけじゃないし、性格が多少やばくても完全に孤独になることは少ない。
おかげで直した方がいいことに向き合う機会が訪れずズルズルと行く。気がついたときには手遅れ、と。
自分で自分のダメさに気づいて自分で追い込めたらいいんだけど、そんな自分に厳しい人間は稀だわな。
漫画「三月のライオン」でそんな話が出てきた。三月のライオンはプロ将棋の棋士を描いた漫画。
将棋は分かりやすい。勝ち負けがはっきりするし、個人戦だから。同じ相手に3回連続で負けたら言い訳できない。「自分が弱いからだ。このままの自分じゃダメだ」となる。
自営でひとりで仕事してると、同じように言い訳ができないところに追い込まれやすくていい。
自分しかいないから結果が出ないのは自分のせいだし、結果が出ないのは自分がヘボだから。だから変わらないといけない。
自分を変えるチャンスが訪れやすいという点で、甘える先のない責任を持った立場で働くのはいいことだ。
自分で判断して決断したことの結果が、全部自分に返ってくる立場。
現象や数字で「お前は間違っている」と突きつけられる立場。
何かを経営することは、自己が否定されることの連続だなあと思うね。どこまで行っても。
自分が下した決断の結果が、全部自分にダメージとして返ってくる。これに耐えて受け止めて前進できる強靭さが必要。
どんなに事業計画が良くても、そこの強靭さがないと事業は実現しないのよな。
世の中にはいろんなノウハウがあって、そのノウハウを教えたがる講師がいて、いろんなカタカナの言葉が流行っては消えて行くけど、
根幹にあるのは、正解を見極める判断力と、それを決定する決断力と、下した決断の結果を自分の責任と受け止めて改善できるメンタルの強さだと思うね。